Innovation

イノベーションとは

イノベーションとは、新たなものを創造し、変革を起こすことで経済や社会に全く新しい価値を生み出すことで、ヨーゼフ・シュンペーターによって提唱されました。

<シュンペーター提唱の新結合5つの定義>

①新しい財貨の生産
②新しい生産方法の導入
③新しい販売先の開拓
④新しい供給源の獲得
⑤新しい組織の実現

元々技術革新の色合いが強かったイノベーションは今現在、広く社会に革新をもたらす広義な意味として使われています。
「イノベーションのジレンマ」著者でハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授は、イノベーションには【持続的イノベーション】と【破壊的インベーション】があり、前者は数値化し易くビッグデータに代表されるデータ分析による相関関係に作用し、後者は感情や共感に訴える定性的なもので数値化することが難しく、因果関係に作用する。と提唱しています。

破壊的イノベーション

ここでは、この2つのイノベーションの内【破壊的イノベーション】に注目して話を進めましょう。
破壊的イノベーションとは「既存事業の秩序を破壊し、業界構造を劇的に変化させる画期的なイノベーションのこと」をいいます。提唱者のクリステンセン教授は「イノベーションのジレンマ」で有名ですが、このジレンマとは「大企業は既に優れた特色を持つ商品やサービスを持つがゆえに、その特色を改良することのみに目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かないといった場合に、しばしば、新たな市場や新サービスへの参入が遅れる傾向にあり、その結果、既存の商品より劣るが、新たな特色を持つ商品・サービス・ビジネスモデルを提供し始めた新興勢力(企業)に、大きく後れを取ってしまう。」というものです。
VUCA時代には、この「イノベーションのジレンマ」に陥らないよう、積極的に【破壊的イノベーション】へ取り組むことが必要であると私たちは考えています。

AITのすすめるイノベーションへの取り組み

  1. 企業風土を変える
    失敗を許容する、チャレンジを促し評価する仕組み作り
  2. 個人の意識を変える
    受け身でなく自発的なマインドセット
  3. モノやサービスの組合せ
    1+1=100という発想
  4. 場を提供する
    創発を促すオフィスや刺激的な共創が可能な開かれた空間・オフィス環境やコミュニティ

日本では、評価額が10億ドル以上の未上場のスタート・アップ企業いわゆるユニコーン企業が希少で、また大企業を見ても、企業説明やIRではイノベーションと発信しておきながら、なかなか新しい事業やサービスが生まれてこないといった状況にあります。
なかには、ラボ(箱)を作り部署を作り積極的な動きを見せる企業もありますが、多くは、部署はおろか、兼務・片手間で形式上のミッション(肩書)で済ませている場合もあり、これではアイデアの創発やイノベーションどころではないと思います。
日本では、ラグビーワールドカップ(W杯)を契機に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年の関西のワールドマスターズゲームズと、3年続けて世界的なスポーツイベントが開催されます。(早稲田大学スポーツ科学学術院 間野 義之 教授は「ゴールデン・スポーツイヤーズ」と名付けた)2025年には大阪でEXPOも開催されます。
世界的なビッグイベントが多く開催されるこの時期だからこそ、企業の積極的なイノベーションへの取り組みが待たれるところです。

では、前述した4つのポイントでイノベーションへの道筋をみていきたいと思います。

1.【企業風土を変える】
内部留保をしているままでは何も始まりません。
例えば、企業内起業(イントレプレナー)制度を設け、アイデアソンを行い、光る種に相応の予算を付け、自由裁量で背中を押すといった制度設置を推奨したり、チャレンジ企画・推進する事を大いに評価する仕組みも必要でしょう、その他、他部門から疎まれるようでは、自由闊達な意見やアイデアは生まれません。
このように企業風土改革では、企業経営・判断の真価が問われることとなります。

2.【個人の意識を変える】
自発的なアイデアの創発と日々の業務を遂行するのとでは、全くオペレーションや速度が異なるため、即トランスフォーメーションとはいかない場合があります。
そこで、自発思考を促すための育成・醸成には、ぜひ当社のデザイン思考セッションをご検討いただきたいと思います。「共感する瞬間」や「新たな気づき」に出会え、自発力の醸成に寄与できるものと考えています。

3.【モノやサービスを組み合わせてみる】
企業の風土・個人の意識が整ったらいざ【破壊的イノベーション】と考えるかもしれません。間違いではありませんが、そう一足飛びに行かない場合もあるでしょう。
この場合は、今あるモノやサービスの中から斬新な組合せを検討してみるのはどうでしょうか?
UberやAirbnbも冷静に考えてみれば「空いている自家用車」「空き家」をマッチングする、という発想で新たなビジネスモデルを生み出したに過ぎませんが、誰もそういう発想が無かった、ぼんやりあったとしても、実行に移す力がなかったのです。
この部分にビジネスチャンスを見出し、破壊的イノベーションに果敢にチャレンジしたのがUberやAirbnbでした。 組合せは自由自在です。
1+1=は100という可能性を秘めているかもしれません。

4.【場を提供する】
場の提供も非常に重要な要素であると考えます。
具体的には物理的な環境であるオフィス空間という場と、人との繋がりを場と捉えるコミュニティという発想の両面でイノベーションには重要な要素です。
クリエイティブでイノベーティブなアイデア創発を促す空間に身を投じたらと考えるとワクワクしませんか?例えば、自然の中でディスカッションするのも面白いかもしれませんし、内装に拘った非現実的な雰囲気だと斬新なアイデアが沢山生まれるかもしれませんね。
人と人との場については、部門間を超えて、あるいは会社間を超えてディスカッションできる仲間を募ることと、その共創の場を提供できることが、コミュニティ機能の充実をはかる鍵となります。異分野や異業種、役職、階層という壁を取り払い、化学反応を楽しみながら、また共感しながらアイデアを出し合う、そんな素晴らしい場を提供できれば、より人脈が広がり新時代に最適化された共創が実現するでしょう。

さあ、今こそイノベーションを。